日本発ヒップホップ/ラップグループ「XG」が世界35都市・40万人動員ワールドツアーから帰国―魅力とマーケット戦略を徹底解説!

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「XG」という3年前にデビューし、既存のカテゴリーには当てはまらない7人の日本女性のヒップホップ/ラップグループが今、話題沸騰中!

2025年4月にはアメリカ世界最大級の野外音楽フェス〈コーチュラ〉では日本人アーティストとして初めてトリをつとめ、5月13日には東京ドーム最終公演で約5万人のファンを熱狂させた。

平均年齢21歳の彼女たちは、英語の歌詞中心のラップで世界中のファンに向かってポジティブなメッセージを届けたのです。

今回は、このほど凱旋帰国した日本女性ばかりの「XG」の魅力とマーケット戦略をひも解きます。

まずヒップホップとラップの違いをおさらい

「ヒップホップ」とは音楽・ダンス・ファッションなどを包括するカルチャー全体をさします。片や「ラップ」とは、その中心にあるリズミカルな語りの歌唱スタイルです。本記事では便宜上、歌唱面を「ラップ」、カルチャー全体を「ヒップホップ」と表記致します。

グループ名”XG(エックスジー)“とは?

XGとは、「Xtraordinary Girls」の略で、「きわめて特別な女の子たち」という意味です。この名前には「常識にとらわれない挑戦」「既存の枠を超えた女性」という思いが込められています。

メンバーは統括プロデユーサーSIMON氏(韓日ハーフ)の下に集い、10代前半から5年間の共同生活を送りながら、ダンス, 歌、語学(英・韓)などのスキルを学び、3年前にデビューを果たしました。

XGの出演メディアとグローバル露出

デビュー以来、「ミュージックステーション」、「報道ステーション」、「めざまし8」,NYのタイムズスクエア―の特大広告、ビルボード誌、ELLE、VOGUEの表紙などを飾るなど、国際的なメディアでも数多くとりあげられています。

東京ドームでの凱旋公演の様子や今までの歩みが5月末、テレビ朝日の報道ステーションで放送されました。

XGの7人のメンバー紹介

名前 ポジション・特徴
JURIN(21) リーダー・統率力
JURIA(18) メインボーカル・高音域
COCONA(19) 高いダンスリーダー
CHISA(23) Jazz&ボサノバシンガー
HARVY(22) モデル出身・多言語対応
HINATA(22) パワフルなパフォーマー
MAYA(20) 大学院生・通訳

全員が10代前半で選抜され、3年前世界デビューを果たしたサクセスストーリーは、ファンの共感を呼んでいます。

ラップの英語は難しい?

アメリカ人がラップの曲を歌う時、間違って覚えて歌ってる人もいるとか。それくらいラップの歌詞は、早口で正確に覚えるのが難しい

だが、ニューヨーカーにしてネイティブスピーカーのアンソニー・アルバレツ氏にXGのビデオを見せたところ、彼女たちの発音に特に違和感はなかったようです。

それより、アンソニー氏が盛んに英語で「カッコいい」、「コーチュラのトリを務めたのはスゴイ!」と絶賛していました。

英語のレベルが高い韓国で修業したXG

それもそのはず、XGのメンバーたちは、10代の前半から韓国に移り住んで本格的に英語と韓国語を学んだことも手伝って、英語の歌詞で歌うことにも特に支障はなかったようです。

参考までに韓国のTOEICの平均スコアーは日本の平均より114点も高いのです。TOEFLEにおいてもスコアーは日本より平均点が10点くらい高いというデータもあります。日本で英語を学ぶより韓国の方が語学学習には適していたのかもしれませんね。

韓国にはBTSなどの英語表現がうまいタレントがいっぱい!

でも、それ以上に、BTSなど韓国には英語で自己表現するアーテストが大勢存在していたことがXGの英語力向上に大きく影響を与えたとも考えられます。

今では、XGのメンバーたちは、英語・韓国語・日本語をある程度自由に使いこなせるまでに成長しました。

世界の音楽市場は限りなく大きく拡大中!

現在、全世界の音楽市場は、2024年で296億ドル(4兆円)。年々そのマーケットは拡大しています。

2013年 2022年
世界のサブスク 1300億円 1兆8千億円
日本のサブスク 400億円位 1050億円

世界のサブスクないしはストリーミング市場における市場ここ10年で、13倍に成長しました。残念ながら、日本ではAmazon Musicアンリミティッド、アップルミュージックなどの伸びは2.5倍ほどです。

この様な世界における音楽業界の拡大傾向からも英語を学び、世界市場を見据えて活動するXGの戦略は、非常に賢明だったと言えるでしょう。

なぜ、XGはラップで世界進出なのか?

世界のヒップホップ市場は、2030年までに48億ドルになると予想されています。100円で換算しても、ゆうに4兆8千億円を超えます

世界各国で、ヒップホップを主流に乗せたBelieve社。今や50ヶ国以上、1900 人のスタッフを擁する企業の長であるロマン・ヴィヴィアン氏は「音楽業界にとって、今ほど面白い時代はない」と断言し、日本のヒップホップ業界の未来も明るいとしています。

2023年には、アメリカの音楽ストリーミングの約3割は、ヒップホップが占めているのです。

また、主なヒップホップアーティストのライブパフォ―マンスの平均収益は、32万ドル(3億2千万円)に達し、2022年の観客数は、前年比18%も増加を記録しました。

また、ファッションとの連携も盛んで、ヒップホップ関連のファッション市場は、年間で約80億ドル(8千億円)以上の価値があると言われています。

そんなヒップホップミュージックを取り巻く経済的な好環境がうまくXGの躍進を後押ししているのでは、と考えられます。

アメリカ有名ラップアーティストとの違い?

XGの音楽性はアメリカの伝統的なラッパー達とは、大きく異なります。

10年連続で最も売れたラッパーのドレイク(Drake)は、感情的かつ内省的な歌詞が多いのです。例えば、タイトルとして”底辺から這い上がってここまできた“みたいな内容が代表的です。

また、エミネム(Eminem) の歌詞の場合は“Love yourself”という楽曲の歌詞がすごくて、「彼のセーターには、嘔吐物がついている」などの刺激的な歌詞が特徴的です。

ドレイクやエミネムのようにアメリカのラップは攻撃的・挑発的な内容が多く、内省的でダークなイメージなのです。

XGのラップ曲(例「Shooting Star 」などはポジティブ・ラップ!

それらアメリカのラップに比べるとXGは、新しいヒップホップと言ってもよいほど、ポジティブな世界観が多く見られます。

例えば、♪Shooting Star などの歌詞を見ると、”Baby if I give it my all will it pay off “(全力で挑戦したら、成功するかな?)などの前向きな歌詞がXGの特徴です。

また、彼女たちは多国籍な文化の影響を受けているといわれています。「全員日本人ですが、韓国語はある程度は話せます。但し、英語の発音はバッチリですが、海外メディアの質問に流暢に答えられるのは、マヤだけ。あとは、カタコトでゆっくりならチサとヒナタは話せるかなーといった程度」だと、ヤフー知恵袋にありました。

以上、XGは韓国、日本、アメリカのラップとは一線を画する音楽を追求しているのです。

“XGは自らを「グローバル・グループ」と呼び”、自分たちの音楽をJ-POPでもK-POPでもないいわば、「X-POP」と定義付けているのです。

まとめ

以上、ざっくりとXGの活動についてご紹介いたしました。

1、グループ名”XG(エックスジー)“とは?

2、今まで出演したメディアの数は数えきれない!

3、7人のメンバー構成

4、ラップの英語は難しい

5、ラップの市場は拡大中!

6、なぜ、ラップで世界進出なのか?

7,アメリカの有名ラッパーとの違い?

8、XGのラップポジティブ!

XGはヒップホップのカルチャーを背景にラップという表現でポジティブなメッセージを発信しています。

多言語対応スキルと韓国での鍛錬が世界進出を後押しをし、ヒップホップ市場の拡大を味方につけて、2025年以降も勢いを加速させるでしょう。

グラミー賞は「XGの活躍が日本のポピュラー音楽の世界進出に貢献した」とコメントをしています。

そんな大活躍のXGが今後どこまでヒップホップ/ラップの枠を広げるのか、注目が集まっています。

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