今年も「お中元」の季節がやってきました。お中元の由来は、江戸期に町人が日頃の感謝を形にして贈り物をする習慣から発展したものといわれています。
現在では、「いつもお世話になっております」という気持ちを夏の贈り物で伝える文化として定着しています。大切なのは、金額や豪華さより、相手の負担にならない“気遣い”。これこそが、お中元における最も重要なマナーといえるでしょう。
2025年お中元はいつ贈る?地域別カレンダー
お中元の贈る時期は、地域によって異なります。
- 北海道:7月中旬~8月15日(火)
- 東北や関東地方:7月初旬~7月15日(火)
- 東海・関西・中国・四国では7月中旬~8月15日(金)
万が一、お中元の時期に間に合わなかった場合は、「暑中見舞い」や立秋すぎなら「残暑見舞い」として贈るのがよろしいでしょう。書き方については、後ほど詳しくご紹介します。
なお、高島屋のお中元コーナーは8月4日(月)午前10時まで承っています。
2025年お中元贈る相手別・金額の相場と注意点
お中元の金額は、相手との関係性によって異なります。
親や親せきの場合
3,000~5,000円が一般的です。特にお世話になっている方の場合は10,000までを目安とすると良いでしょう。
知人・友人の場合
3,000円前後が目安です。高価なものよりも、相手の好みに合った物を選ぶと喜ばれるでしょう。
上司
5,000円程度が適当です。
高額過ぎるものは避けましょう。また、特にお世話になっている上司の方でも10,000円を超える品物は控えるのが無難です
取引先
ビジネス上の贈答は、基本的に5,000円が目安です。お得意先や特にお世話になっているお得意先でも、10,000円程度までが妥当とされます。
※なお、「賄ろ」や「利益供与」と誤解されないよう気をつけましょう。お中元やお歳暮のやり取りを禁止している企業もあります。贈る前に確認することをおすすめします。
公務員の場合
ビジネス上の付き合いがあっても、公務員へは、お中元を贈ってはいけません。特に利害関係のある公務員に対しては法律で禁止されてます。
仲人
5,000円程度が目安です。特に結婚の仲人をつとめて下さった方へは、3年間贈り続けるのがならわしです。
習い事(ピアノ等)の先生
かつてはお中元なども贈る習慣があったようですが、今はお金を受け取らない方も多くなっているようです。特にお中元のやり取りをする習慣がない教室の場合は、贈らなくても良いと思います。
逆に、お中元を贈るしきたりがある場合は、3,000円~5,000円程度の品物を選びましょう。
2025年お中元品物選びのマナーとタブー
お中元は感謝の気持ちを贈るものであり、贈る品にも気配りが必要です。相手が好きなものを選べるからといって、ギフトカードや商品券を贈る方もいますが、「お金に困っている」と連想されることもあるので、注意が必要です。
また、以下の品物は、避けた方が良いとされる商品です。
- 刃物「縁を断ち切る」を連想させる
- 履物(靴、スリッパ、マット):「踏みつける」
- 衣類:「みすぼらしい恰好をしている」
- ハンカチ:「手切れ」
- 櫛「死と苦」(4と9の数字のつくものは避ける)
- 筆記具、時計「勉学に励むこと」を促すと受けとられる可能性がある
また、冷凍・冷蔵品は保存できるかどうか前もって相手方に問い合わせてから贈ると安心です。
2025年お中元贈り物に迷った時のおススメギフト①は「ちりめん山椒」
大手新聞社で作家さんたちとお付き合いがあり、各地の美味しいモノを熟知している私の友人は、自分のお中元には、どなたにも受け入れてもらいやすい「ちりめん山椒」を贈るのが習わしと言っています。
京都の老舗である「はれま」という会社の商品で、山椒の香りがきいていて美味しいです。防腐剤や着色料も不使用でつくられており、114gの折詰で2,160円他。
本店:605-0801
京都市東山区宮川筋6丁目357
電話:075-561-4905
デパートは高島屋日本橋店, 高島屋新宿店, 三越日本橋店, 三越銀座店など。
2025年お中元贈り物に迷った時のおススメギフト②は、3つ星の「ロブションのマカロン」(冷凍)
このマカロンは、TVのグルメ番組でプロデュースも手掛ける料理研究家から教わった逸品。
季節限定で冷凍便のお値段が、5個入りで2,200円。
ラ・ブティック・ジョエルロブション・オンラインショップでも購入可能です。
2025年お中元贈り物に迷った時のおススメギフト③は鶴屋八幡の「鶏卵そうめん」
東京の大学に通っていた知人の女性が私の祖母に持参したお土産が鶴屋八幡の「鶏卵そうめん」。1把、1,080円。真っ黄色のそうめんのような糸状のお菓子は、ことのほか美味。我が国に伝わった南蛮菓子としても有名です。
各デパートのオンラインショップでも大々的に取り扱っています。
2025年お中元節約志向に寄り添う「ご飯ものギフト」人気
読売新聞によれば、百貨店各社のテーマは「高級ホテルの味をご家庭で」で、贅沢なご飯系ギフトを強化中です。
- 日本橋高島屋の特設コーナーでは高級寿司店のちらし寿司(税込み8,640円)などを販売。
- 日本橋三越本店では、ギフトセンターを開設し、老舗料亭「なだ万」が手掛けたズワイガニ入りのお弁当などを並べている。
- 三越伊勢丹では、海外旅行気分を味わってもらうため、フランスやイタリアなどから取り寄せたワインやチーズを集めた企画も実施している。
- 銀座松屋では、料亭のおこわやあんかけ丼など「ご飯グルメとして」揃えている。
- そごう・西武は、全店のお中元ギフトセンターで税込み15,000円以上を購入した先着1万人を対象に、真空パックのお米2合をサービスしています。
お礼状・暑中見舞いのマナー
1.お中元をいただいたら?
目上の方や日頃からお世話になっている方などに対して、失礼のないようできるだけ早く(3日以内)にお礼状を送るようにしましょう。
その際、お礼状を返すのが遅れてしまい、立秋の8月7日(木)を過ぎてしまった場合は、「残暑見舞い」と文面を変えて出すのがマナー。
2、お中元にお返しは必要?
基本的にお返しは不要ですが、ビジネスの関係上、特別にお返しをしたい場合は、いただいた品物の半額程度を目安に贈りましょう。その際も、暑中見舞いや残暑見舞いとして贈ると丁寧です。必ず頂いた品物に対するお礼状を同封するなどして贈ります。
まとめ
主にお中元のマナーとして大切なのは「相手の気持ちに寄り添うこと」。
お中元を受け取った際には、お礼状を送ることも忘れずに。マナーの教科書では「お礼状を封書で3日以内に」とありますが、メールでも構いません。大切なのは、感謝の気持ちを形にすることです。
どうしても品物で贈り物をしたい場合は、頂いた品物の金額の半額程度の品にお礼状を添えるのが丁寧です。
そして、挨拶状を送る時期が過ぎてしまったら、立秋(8月7日)までに残暑見舞いを出すとよいでしょう。
では、暑さもだんだん本格的になってまいります。どうぞ、体調には十分ご注意のうえ、健やかな夏をお過ごしください。
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