選択的夫婦別姓とは?国会でも主なテーマになる法案のメリットとデメリットとは?

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2025年1月24日から開かれる国会では、「選択的夫婦別姓」が主な議題の一つとなります。

選択的夫婦別姓とは、結婚する夫婦が名字を同じにするか、別々にするかを自由に選べる制度です。それは、夫婦が望む場合、結婚後もそれぞれ結婚前の氏(名字)を使用するのをも認める制度です。

実は、夫婦同姓(同じ名字に統一する)が義務付けられている国は、世界中で日本だけです。

2025年1月18日・19日に実施された毎日新聞の世論調査では、選択的夫婦別姓「賛成」が42%、反対は23%という結果がでました。

一方で、自民党内には日本の伝統である夫婦同姓婚を維持し、結婚前の名字を「通称」として、利用を拡大すべきだという意見もあります。

あなたは選択的夫婦別姓制度に賛成ですか? 反対ですか?

 

選択的夫婦別姓のメリット?

  • 名前を変えなくていい(名前が変わることで、非常に手間がかかる人には良い制度)

例えば、日本の離婚率が35%までに増加していることを考えると、(取材した女性は)2回離婚をしているので、2回名字を変えなければならなくなり、現制度は煩瑣だと言っていたのです。

また、(取材した)教職にある女性は、結婚して、名字が変わったことを生徒や同僚、仕事のスタッフにいちいち知らせなければならなかったので、大変だっと話す。夫婦別姓は煩瑣な手続きをしなくてもよいと思うと語っていました。

  • 名義変更など面倒な手続きが不要(銀行カード、クレジットカード、ICカード、等の名義変更の際には住民票などの提出が必要になったりする)
  • 家名を継いでいける

選択的夫婦別姓のデメリット?

  • 事実婚として扱われるため、相続権がない。
  • 家族として証明できない(病院での同意書、保険金の受取などは、事実婚である証明書を用意する必要がある)。

選択的夫婦別姓とは?

結婚後も夫婦が別々の結婚前の氏を称することを認める制度です。現在の日本の民法制度では、認められてられていません。

選択的夫婦別姓は日本でいつ頃から?

という問いには1996年からと言われています。その時、法務省は選択的夫婦別姓に関して、前向きでした。

次からが、1996年 法務省の法務省の答申の一部です。

女性の社会的進出等に伴い、改氏(姓)による職業生活上や日常生活上の不便や不利益、アイデンティティーの喪失などの様々な不便・不利益が指摘されてきたことを背景に、選択的夫婦別姓制度を求める意見があります。

法務省としては、選択的夫婦別姓制度の導入は、婚姻制度や家族のの在り方と関係する重大な問題ですので、国民の理解の下に進められるべきものと考えています。

1996年、法制審議会が選択的夫婦別姓の民法改正案を答申しましたが、国会提出に至りませんでした

なぜなら、「法案の国会提出前に自民党議員への説明に回ると8~9割が反対した」と元法務官の小池信行氏。

2021年最高裁判決では、民法の夫婦同姓婚法の下の平等に反ぜず、違憲でないとされました。

さらに判決は、夫婦の氏に関してどんな制度をとるのが、相応しいか?別姓婚なのか、同姓婚なのかについては、「国会で論ぜられるべきことである」という判決が出たのです。

今のところ、法律的には夫婦は同じ名字を前提とする同姓婚で、妻か夫のいずれかの姓を名乗ることにはなっています。

世界は選択的夫婦別姓が大半?

  • 世界各国で、夫婦別姓が導入されている。
  • 仏教の国として名高いタイでも、2005年に選択的夫婦別姓が導入され、夫婦の合意によりいずれかの姓、または、それぞれが従来の姓を称することができるようにしました。  
  • 韓国は姓不変の考え方があり、別姓主義です。
  • 台湾の場合 夫婦別姓が基本
  • フランスは原則として別姓
  • 中国の場合夫婦別姓が大原則です。
  • アメリカは選択肢が5つもあります。

1950年代までは、アメリカもまた日本と同じ夫婦同姓婚でした。その後,姓を自由に選べるようになったのです。

米国方式は

1)女性が旧姓を名乗り続ける
2)夫の名字になる
3)夫が妻の名字になる
4)複合姓になる(ダブルネーム)
5)全く新しい名字になる

  • ドイツ、フランス、ロシアは選択的夫婦別姓
  • 姓の変更は自由だが、夫の姓を称する国:インド、イスラエル
  • サウジアラビアは姓の変更は自由だが、祖父の名前をミドルネームに取り入れることも可能。

夫婦が同じ名字にしなさい!と義務を求めるのは、世界広しといえど、日本ただ一国!

日本の選択的夫婦別姓に関する世論調査の結果?

国が詳細な世論調査を行っていますが、あまり細かすぎるので、直近の毎日新聞の調査を参考とします。

2025年1月18日・19日実施の毎日新聞の世論調査では、選択的夫婦別姓を導入することに「賛成」は42%、「反対」は23%。「どちらとも言えない」は、34%でした。

自民党支持層は「賛成」40%、「反対」28%。公明党、立憲民主党、日本維新の会、れいわ新選組、共産党支持層も「賛成」が多数だったが、国民民主党支持層は「反対」が44%で、「賛成」は34%にとどまった。

選択的夫婦別姓は24日召集される通常国会での主要論点の一つになる見通し。立憲などの野党や公明は導入に賛成・前向きだが、自民内には夫婦同姓を維持し、代わりに通称利用を拡大すべきだと主張する議員も多数いる。【飼手勇介】

以上、毎日新聞2025年1月19日付より引用した。飼手記者も書いているとおり、高市早苗氏らが「家族と一体化した氏は残したい」通称使用を拡大して、何とか夫婦同姓婚を維持しようとする主張は、安倍派の国会議員や関連団体から手厚い支援を受けている。

経団連の選択的夫婦別姓の申し入れ?

だが、今回の経団連の申し入れは、ちょっと高市氏の考える夫婦別姓の在り方とは違うようです。

日経新聞によると、2024年5月10日に経団連の十倉会長は、婚姻時に夫婦いずれかの姓を選ばなければならないとする今の制度は、女性活躍を阻害するものと断じ、当事者個人の問題として片づけられず、ビジネス上のリスクになっている」と述べた。

通称とパスポートなどに記載された姓が異なるため、海外でホテルのチェックイン時にトラブルになったり、クレジットカードが作れなかったとする事例があがり、旧姓を使い続けるために、「形式的離婚をした」例も引き合いに出された。

経団連の調査で通称使用を認めている企業が9割。だが、実名でない通称だとトラブルのモトになるというわけ。

高市氏の日本の家族に対する思いは理解できなくもないですが、世界でたった一国の日本の同姓婚という制度は、もう世界のビジネス界には通用しないのでは?

再び、2025年1月にも経団連は通常国会を前にして、選択的夫婦別姓の実現を強く求めている。

 国連から選択制夫婦別姓を求める勧告

また、国連の女性差別撤廃委員会(CEDAW)は、女性の権利やジェンダー平等に関する勧告を行う機関の一つであり、夫婦の平等な権利に関しても取り組んでいます。

国連女性差別撤廃委員会は、2024年10月に8年ぶりに実施した対日審査の結果として、選択的夫婦別姓の導入に向けた法改正を勧告しました。

さらに、女性皇族による皇位継承認めていない皇室典範の改正を勧告した。 同委員会は、専門家23人で構成し、性差に基づく不平等の是正を目指す女性差別撤廃条約について、日本など締約国189カ国の履行状況を定期的に調査している。

女性に皇位継承を認めていない日本の皇室典範もまた差別の温床のように国連に捉えられたのでしょう。

今後の日本の動向

2024年には経団連の申し入れ、国連の勧告などがあった。また、衆議院選挙が行われたのが2024年の10月。その時、総裁選挙も行われた。

大きな争点にはならなかったけれど、高市氏の推し進める「日本の家族の伝統」を守る立場で、結婚前の姓の通称使用を拡充する働きかけが、効を奏したようです。

選択的夫婦別姓を掲げて首相候補に名乗りを上げた小泉進次郎氏の影が薄かったのが、印象的でした。が、本人の実体験から「親が離婚をし、名字の違う兄弟であってもそれ程問題はなかった」と言っていたのが印象的でした。

しかしながら、衆院選の後の2025年1月、経団連は1月24日から始まる今国会に対して、選択的夫婦別姓を議論することを希望するという意思表示がなされました。

今国会で、夫婦別姓に反対する高市早苗議員や小林鷹之議員の動向について、興味シンシンです。

まとめ

1 ,選択的夫婦別姓とは?

2, 選択的夫婦別姓に対する最高裁の見解?

3, 世界の趨勢?選択的夫婦別姓が大半

4, 日本の選択的夫婦別姓に関する世論調査?

5, 経団連の申し入れとは?

6, 国連の勧告

7, 選択的夫婦別姓のデメリット?

8, 選択的夫婦別姓のメリット?

9, 今後の日本の動き

と述べてまいりました。

今となってみれば、世界で唯一の日本の夫婦同姓制度はさまざまな欠点が出てきているようです。

経団連の言うように今後のビジネスの分野で不都合な事実があるなら、考えなければなりません。

今や女性においては、専業主婦の方が少ないのです。2021年では、専業主婦世帯は夫婦のいる世帯全体の23.1%だそう。

中には、キャリアを追求する医師や学者、署名記事を書くジャーナリストなど数多くの女性が、旧姓使用のため結婚届を出さない場合も多々あるようです。

今国会で、十分に審議されますこと。そして日本のような同姓婚は世界でただ日本だけになってしまったという事実をもう一度あらためて考え直したいと思います。

 

 

 

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