若いZ世代の女友達は、テレビを見ない「アマプラ三昧(ざんまい)」だと言います。「アマプラ」とはアマゾンプライムのこと。ネット配信のNetflixやHuluのことは聞きそびれたけれど…..
コロナ禍が終わっても、テレビを見ない。ネットを中心に彼女の生活は回っているらしいのです。
日本人の全体で、テレビ見ない、ネットのどっちが見られているのかと言えば、テレビ派が69.9%、ネットが39.1%という調査結果が出ています。
(sirabee.com,2021/02/19. 10 代から60代の3,140名に質問)
但し、20代に限るとネット派が過半数になるとのこと。
以上のデータからご推測の通り、これからの時代はネットで社会が回り、テレビはネットを補完するものとなるのかも知れません⁉
1 若者のテレビ離れが深刻だと朝日新聞デジタル版では詳しく解説!
NHK放送文化研究所のデータが若者のテレビ離れの深刻さを物語っています。朝日新聞デジタル(宮田裕介記者)に掲載された記事の一端をご紹介しましょう!
2021年5月20日、NHK放送文化研究所発表の『国民生活時間調査』の一部から抜き書きし、分かりやすくしました。
1960年から5年ごとに実施された質問に対する回答です。(全国10歳以上の7,200人を無作為抽出。テレビ視聴は、調査日に本人がテレビを15分以上視聴した場合のみ「見た」といたしました。)
平日に「見た」人は、10~15歳56%にのぼりました。(前回2015年は78%で、22ポイント減)
▽16~19歳で2020年の平日に「見た」人は47%(前回の2015年には71%で、24ポイント減)、
▽20代は51%が「見た」と答え、(前回2015年は69%で、18ポイント減)。
いずれもこの5年間で、テレビを見ている人の割合は、20ポイント程度減りました。
減り方は30代の方でもかなり激しかったのです。
30代が2020年で63%となっており、5年前は75%の方が「見た」と答えていました。すごい減り方ですよね!
50代は1920年で83%の方が「見た」と答えていましたが、5年前は90%もの方々がテレビを「見た」と答えていたのです。
この衝撃的データについて、渡辺洋子研究員は、『若年層にとってテレビは毎日見る“日常的メディア”ではなくなってしまったため、減少幅が大きくなった』と朝日新聞のデジタル版で、言っていました。
データによりますと、テレビ離れは若年層だけでなく、年配の方にも言えることです。
なぜなら、60代のスマホ保有率は、2023年に93%に達したからです。
70代でも79%という数字です。この数字から明らかなように、動画を見ようと思えば高齢者は、いつでも見られる状況にいるということです。
まあ、テレビは全くなくなってしまうとは思いませんが、今では、地上波とつながずに、Wi-Fiさえあれば、YouTube をそのまんま見られるテレビも開発されています。
値段は、Wi-Fiでつなぐテレビは、50インチで3万8千円とお安いです。ちなみに、地デジと両方使えるTVは、6万280円。(ドンキホーテ調べ)
2 NHKのNHKの受診料は高すぎるか?英国BBCの受診料見直しは影響を与える⁉
英国のBBC国営放送は今、受信料の見直しをしている最中です。受信料金は、2年間の凍結期間に入ります。この動きについては、英文化相は、BBCの受信料制度廃止を示唆していると伝えられています。
そうなると、日本のNHKの受信料金制度も同じような危機にさらされるのかもしれません。
いち早く、NHKは、地上波・衛星契約ともにNHKを改革して、受信料金の値下げに踏み切ることを発表しています。うまく解決されることを望みます。
3 若い人のネットとは何か?そんなに地上波とネットは違うのか?
では、テレビと若者が好んで見ているインターネットとのどこが違うのでしょうか?
まず、第1の違いですが、放送時間です。テレビは時間と場所によって見るものが限定されてしまいます。
その点インターネットは、世界中の情報にアクセスできるといわれています。
第2にテレビはニュース放送を定期的に行っていますが、インターネットはリアルタイムでの更新が可能です。
第3に、テレビは画像を重要視しますが、インターネットは文字だけでなく、画像や動画なども重要視します。
ということで、違いばかりがクローズアップされているようですが、テレビ番組のニュースもそのまんま、インターネットのニュースとして、放映されているものもあるので、コンテンツの製作上は、それほど違いはないのかもしれません。
4 テレビ離れというより、「スマホ」を見ているのだ!とダイヤモンド誌の解釈!
それでは、若い人はどんなネット番組を見ているのでしょうか?
Google 検索サイト、Amazon などのショピングサイトのほか、5位にTwitter, 7位にYahoo ニュースが入っています。8位には、YouTubeが見られているようです。
さて、YouTube の中身ですが、どんなものが見られているのでしょうか?
男性は教養系、ニュース関連の動画が好まれています。50代以上の人は、ニュースに加えて、大谷翔平のライブパフォ―マンスを投稿するチャンネル、政治経済系が多いようです。
女性は年齢ごとにバラエティーに富み、推し活的要素が強いのも特徴のひとつ。
40代女性は、俳優・整体・料理系など多様な嗜好がうかがえます。50代女性ではジャニーズチャンネルなどが目立っているようです。
これって、テレビのワイドショーの内容とさほど変わりがないような気がします。
ここで、うがった見方をご紹介しますと、日本を代表する一流経済誌の「ダイヤモンド」は、今一番、見られていうのは「スマホ」であるとハッキリ言っています。
エッ!と驚きの方もいらっしゃるかもしれません。
ダイヤモンド誌はこうも言っています。「テレビのゴールデンタイムの視聴率は、まだ75%くらいあるのです。ただ、以前と違うのが、テレビはただ「ついているだけ」だそう。
「スマホでちょっと面白そうなシーンになると、皆さんスマホに目を落とす」状況が、今のテレビの置かれた実情だそう。
テレビが構造不況というより、テレビのコンテンツが軽ろんじられているということ、それが1兆7千億産業といわれるテレビ業界の置かれた実態らしいのです。
5 テレビ東京はインターネットもテレビも絶好調!
それほどインターネットはテレビのコンテンツと違わないようです。
ところで、テレビ東京は、テレビで培ったノウハウを思う存分インターネットで、その力を発揮しています。
テレビ東京は日本テレビなどのメジャーなテレビ局とは違って、小さく予算が限られていたため、ひな壇にタレントを数多く集めて、華麗なるトークショーを繰り広げるといったことはできなかったそうです。
でも、ロケ番組おいては、ロケ自体の取材を徹底的に行って、ロケのトークの充実を図ってきたとのこと。そんな涙ぐましいまでの創意工夫が功を奏したのでしょうか……
最近、「見逃した番組」を放送終了後にインターネットで無料視聴できるテレビ東京公式動画配信サービス「ネットもテレ東」が人気です。
他の在来テレビ局もテレビ東京に続けと、インターネットに配信し始めました。
6 まとめ テレビ離れを東洋経済誌の記事が一刀両断に解説!
東洋経済誌上では、メディア・コンサルタントの氏家夏彦氏が以下のように指摘しています。
前提として、2021年3月度の在京キー局の決算を見ていただくと、早いのですが、売上高とCM収入が日テレ以外2桁のマイナスを計上しているのです。
CM収入の減少は、2009年度のリーマンショックを上回るほどだそう。華やかにみえるテレビ局の台所事情がお分かりいただけると思います。
氏家氏は、そんなテレビ業界に対して、手厳しい見解と将来やるべきことについて、こうコメントしています。
①5年後のデータでは、おそらくテレビを見ないが過半数となる。
②フェイスブックやツイッター等のSNSをさえ使ったことのない60代以上の高齢者が経営者でいる限り、この変化には対応できないだろう。
③もし、テレビ局の社長を元Google Japan社長の村上憲郎氏やDeNA会長の南場智子氏がやるとどうなるだろう、どんな変化をもたらしてくれるだろうかと筆者は言うのです。
テレビ局が変化しなければならないのは、今この瞬間であり、それができない局は自然淘汰されるでしょう、と氏家氏は警鐘を鳴らしています。
手厳しい意見ですが、メディア・コンサルタントとしては、当然の帰結なのかもしれません。
ちなみに、第1章では、朝日新聞デジタル版の意見、第2章では英国BBCとの比較、第3章ではYouTubeの中身、 第4章では、ダイヤモンド誌の解説するところのスマホ?とは、第5章テレビ東京の躍進ぶり、を取り上げました。
なお、6章ではまとめとしてメディア・プロデューサーの氏家氏のコメントを引用させていただきました。高齢者問題ともいえる日本のメディア業界。世代交代が近道なのでしょうか?
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