フードテックとは?無印良品のコオロギせんべいは売り切れ続出!

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フードテックとは食のフードと技術のテクノロジーを掛け合わせた言葉で、持続可能な食料生産に欠かせないテクノロジーのひとつです。

近年、大豆たんぱく、昆虫食、人工肉、植物工場など様々な新しい食のあり方が提示され、実際スーパーの棚にも並び始めています。2022年度には世界で5兆円規模の投資がなされているフードテックの現状をリポートしてみました。

 

フードテックとは?

人口増加、環境汚染、飢餓など食に対する関心の高まりなどによって、食の問題を科学技術によって解決しようとする取り組みのこと。日本では、2020年に産学官が一体となってフードテックの振興を目的として、農水省が中心となり「フードテック官民協議会」を立ち上げました。これが日本のフードテック元年かもしれません。

 

フードテックのメリット

さまざまなメリットがあります。フードテックは世界の食料不足の問題、飢餓の問題、環境汚染などの重大な課題の解決をします。フードテックとは、まさしく人類にとって必要不可欠な研究・開発なのです。

食料不足や飢餓の問題

世界の人口増加の問題は深刻です。なぜなら、国連の統計によりますと2015年の世界の人口は、約73億8千万人でした。それが2030年には約85億5千万人にふくれ上がるといわれています。

2030年には世界人口の29.6%の人々の食べ物が常に入手できない状態になると、ユニセフでは警鐘を鳴らしています。フードテックは、そんな食料不足・飢餓問題を解決しようとする試みなのです。

環境問題の解決

畜産業はCO2 の排出量がものすごいのです。家畜のえさを生産国から、養豚業の農家まで移動させた場合ですが、豚肉1kgを市場に出荷するまでの間に、何と8kgのCO2 が排出されているのです。畜産業は環境負荷がとても大きいのです。

国連食糧農業機関(FAO)が発表した2013年のデータによれば、世界の温暖化効果ガスの15%近くが畜産業によるものだとされています。ちなみに世界の温室効果ガスの4%は、何と牛のゲップによるものだそうです。

その畜産業があまりに環境負荷が大きいので、肉の細胞を培養して作る培養肉などが現在考えられています。家畜を育てなくていいことから将来の食料問題の切り札の一つと考えられています。

フードロスと飢餓

世界で8億の人々が飢餓で苦しんでいるのに、逆に先進国ではフードロスの問題が深刻です。食べ物の廃棄や一般家庭における食べ残しがゴミの約4割を占めているからなのです。フードロスの解決が、急務です。

まさに、フードロスの問題は、SDGsターゲットそのものです。そのフードロスをなくすことは、冷凍技術などのフードテックが必要です。

なるたけ食べ残しは冷凍保存をして食べきるなどの工夫が必要です。冷凍技術の発達がフードロスを削減すると考えられています。現在セブンイレブンで売っているような冷凍野菜・果物などは、フードロス解消の優等生といえるでしょう。

大豆たんぱくはヴィーガンにとって必須

海外の有名人ではビヨンセ、テニス選手のビーナス・ウイリアムス。日本人なら市川海老蔵、モデルのローラ、など、芸能界には動物性タンパク質をとらないヴィーガン実践者が多いようです。

2018年の統計ですと、世界でヴィーガンやベジタリアンは6.3億人に達しています。毎年1%ずつ増えています。

そんな菜食主義者、ヴィーガンやダイエッター達は、大豆ミートなどの植物性のたんぱく質を摂取します。

2022年1月に行ったLINEのアンケート調査によると、大豆ミート商品に代表される代替肉を今後利用してみたいと回答する人は48%を超えました。ずいぶん日本でもフードテックは人々の間に浸透してきたようです。

きのこの菌を発酵させて「クオーン」が作られる

クオーンとは、1985年に英国で販売が許可された人工肉のこと。ヴィーガンやダイエットをする方の間では「クオーン」というバイオ技術を用いたきのこ由来の発酵食品が人気です。ヨーロッパ、アメリカ、南アフリカで販売されていて、市場規模が年々増大しています。

アメリカなどでは、もっと肉感を強調した人工肉が、ハンバーガーショップなどを通じて、出回っています。もう、すでにアメリカもイギリスも人工肉の時代に突入しているのかもしれませんね。

フードテックは衛生的

AI を使った植物工場などでは、生産工程から流通にいたるまで、ウイルスや細菌の感染する確率がものすごく低くなるのが特徴です。

AI で管理をしているので、問題が起きたとしてもそのプロセスをトレースし、リコールができます。安全性に関する大変大きなメリットがあげられます。

生産者不足解消

AIを使った無人の農場に対する経営への試みがなされています。すでにレタスなどを作る水耕栽培の植物工場などが出現しています。

また、大型トラクターなどでできないようなデリケートな野菜などの収穫の際、カメラ付きの4輪車のAIロボットが活躍します。収穫する人の後をゆっくり走るAIロボットが収穫のお手伝いをするそんな時代が来ているようです。

AIロボットが担う農作業が増え、生産者不足が解消されることを目指しています。

フードテックのデメリット

ただ一つの欠点は、お金がかかるということに尽きます。

大豆ミートは鶏肉の精肉と比べると高価です。イオンでは「大豆のお肉」という大豆から作ったお肉は、100gあたり228円で、リアルな鶏肉は100gあたり188円でした。

また、植物工場でも太陽の代わりの光も電気代がかかるという難点があります。水道代もばかになりません。フードテックの技術を発展させるのには技術開発のための研究費用も必要です。

ですから、2022年には世界中のフードテックに対する投資額が5兆円を超えました。アメリカを筆頭に中国などもフードテックに対し真剣勝負をいどんでいます。

 まとめ フードテックで飢餓を克服!

あの無印良品が2020年5月からたんぱく源として昆虫食のコオロギせんべいを販売しているのをご存じでしょうか?実は売り切れ続出のヒット商品なのです。ネット通販でないと買えないそうです。

あのカップヌードルでおなじみの日清製粉が放牧地を使わずして研究室から培養肉のステーキ肉づくりに挑戦していることをご存じですか?

この記事では、フードテックのメリット、デメリット、人工肉、クオーン、培養肉、などの新素材を紹介いたしました。

それでも、まだアフリカの人々の5分の1は飢えに苦しんでいるということ、地球温暖化や水質汚染には畜産業が大きくかかわっていること。

それ等を解決するために2022年には5兆円あまりのフードテックに対する投資がなされました。フードテックの研究・開発ですべての問題が解決されると思いませんが、少しでも餓死者が減り、地球環境が改善され、人々が健康に生きられるようになることを切に願います。

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