森博嗣面白いとは何か?面白く生きるには?感想口コミレビュー!

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人気作家が考える「面白い」とは?毎日がつまらないと感じている全ての人にお勧めする本『面白いとは何か?面白く生きるには?』

6月に入りました。ゴールデンウイークなどのイベントもひととおり終わり、なんだか毎日をつまらなく感じている人もいるのではないでしょうか。夏休みまでまだまだ日数があり、梅雨時でなんとなく面白くないこの時期に、面白く生きるために参考になる本を紹介します。

・『面白いとは何か?面白く生きるには?』 森博嗣

著者の森博嗣さんは話題になったミステリー小説・『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞してデビューされたミステリー作家です。

森さんは1996年のデビュー以来、国立大学の教員をしながら数々のシリーズ小説や短編小説、新書やエッセイなどを執筆してこられました。今では大学も退職され、作家業もほとんど引退したような形でゆるやかに執筆されつつ、森の中で毎日好きなことをして暮らしているということです。

日々仕事や家事などのしなければならないことに追われ、忙しく過ごしている私たちから見ると非常に羨ましい生活をされています。

森さんの今のメインは作家業ではなく、趣味の工作に没頭したり、「庭園鉄道」といって広大なご自宅の庭に線路を敷いて自作した汽車を走らせたり、庭仕事をしたり飼っている犬たちと遊んだりすることだと述べられています。

まさしく、毎日を「面白く」生きているというわけです。
私たちもそれぞれ面白いことはあると思いますが、ここまで面白いことばかりをして生きている方も珍しいのではないでしょうか。

むしろ私などはそうですが、別に不幸のどん底にいるというわけではないけれど、なんとなく毎日が「つまらない」、「満ち足りていない」と感じることもあります。

では、私たちは何をすれば「面白く」生きることができるのでしょうか。
森さんはまず、著書の前半部分では「面白さ」について分類されています。

「面白い」といってもいろいろあり、くすっと笑えるものから本や映画などから感じることのできる感動、テストの問題やクイズの答えを考えるときの面白さなど様々です。

森さんは、「面白く」生きるために大切なことは他者と自分を切り離して考えること、また自分で創造することだと考えています。音楽を聴いたり本を読んだりするのはインプットですが、その何倍も面白いのはアウトプットです。

確かに自分で楽器を演奏したり自分で物語を創作したりするほうが面白く感じますし、実際にそういった創作活動をしている人もたくさんいます。

他者と自分を切り離して考えるというのは、特に現代人は誰かと繋がることが幸せだと感じているような印象があると森さんは述べられていました。

みんなでワイワイお酒を飲んだり、ネット上で多くの人に注目されたがったり、面白く生きることに誰かの評価を必要するという人が多いのではないかという指摘です。
確かに、ネット上などで何か意見を発信し、誰かが反応してくれたらとても嬉しく感じることはあります。私たちは意識してそうしているのかどうかはわかりませんが、少なからず誰かの反応や評価、それもいい反応やいい評価を求めてしまって、それが返ってくることに幸せを感じているのです。

他者が必要な「面白い」ことは、他者がいなくなるとなくなってしまう!

これは当たり前のことですが、森さんが書かれていたのを読んで私もハッとしました。
たとえば、私は夫や友人などとどこかへ出かけるのが好きなタイプです。

まとまった休みがあれば旅行をしたいと思います。しかしそれは誰か一緒に行ってくれる人がいる場合で、一人ならば旅行はしません。どんなに楽しそうな場所でも、誰かと一緒に行くから楽しいのだと考えてしまいます。

しかし、森さんはそういった楽しみについてはもしも一緒に行ってくれる家族がいなくなったらなくなってしまうと述べています。

確かに、家族旅行が趣味だとして、毎年必ず行けるとは限りません。子どもが小さいうちは行けたとしても、学年が上がって中高生にもなると家族旅行よりも部活動や友達との遊びを優先するようになる可能性はあります。

実際、私の実家では妹が運動部に入部した年から家族旅行はなくなりました。もしも両親が家族旅行を楽しみにしていたとしたら、急に楽しみがなくなってしまったことになります。

また、職場の同僚と飲みに行くことが楽しみなのだとしたら、退職した瞬間にそれはなくなります。退職した後も繋がっていられる人はいるかもしれませんが、同じ職場にいたときよりも飲みに行く頻度は減るでしょう。

このように、他者がいなければ成立しない面白さについて、森さんは「他者に依存している」と考えているようです。そういった面白さは、環境が変わることで簡単に失われてしまうものです。

だからこそ森さんは、一人で楽しめる趣味を見つけるのがいいとおっしゃっています。

一人で何かを創作することは一生楽しめる最高の趣味!

森さんは子どものころから工作が好きだったといいます。そもそも小説家になったのも小説が好きだったからではなく、悠々自適に好きなことばかりできる生活を送るための資金調達という目的があったらしいのです。

小説が大ヒットした森さんは目的通りに資金を手に入れ、今では大学も辞めて作家としてもゆるく活動し、好きなことばかりされています。

森さんは「自由」とはなんでも自分の思い通りにできることだと考えていて、決して休日にごろごろしたりヒマな状態で過ごしたりすることではないといいます。

森さんは「自由」を手に入れるために30代後半から計画を立て、実際に小説を書いてお金を稼ぎ、広大な土地を購入して大好きな工作に夢中になってこられたのです。

森さんにはご家族がいらっしゃいますが、その趣味にご家族は巻き込まれていません。ご家族はご家族で、また別の趣味に没頭されているということです。

工作は手軽に楽しめるものではなく、どうすれば思った通りのものができるのかを考えながら進めていきます。今は工作キットなども売っているのですが、工作キット通りに作るのは「インプット」だと森さんはいいます。

もちろん、それにもそれなりの楽しみがあるのですが、それ以上に楽しめるのは自分で何かを考えて作品を生み出すことです。

これは、工作に限らずいろいろあると思います。絵をかいたり料理をしたり裁縫をしたり、男女関係なく楽しめるものはいろいろあるのです。他者がいなくても、自分一人で十分に満足できる趣味を見つけることがなんとなく「つまらない」毎日を抜け出すヒントになります。

著者みたいなことはできない……という人に伝えたい「抽象的な思考」

森さんは小説で成功し、話題作を生み出していきました。小説はアニメ化もしたので、実際に小説を手に取っていない人にも森さんの名前や小説が認知されたといえます。

そんな成功をおさめることができたのは森さんの才能であり、自分には無理だと思う人もいるでしょう。しかし、森さんは子どものころから国語が一番苦手だったと言われています。

小説を書いた段階で、本もほとんど読んだことがなかったそうです。

もちろん、小説を書いたのも出版社に投稿した作品が初めてです。

ではなぜ森さんは成功できたのでしょう。私は、森さんが何でも抽象的に考えることができたからだと思います。ミステリー小説を書くにしても、過去に読んだものを参考にして書くとどうしても二番煎じになります。

どこかで見たことのあるような作品になってしまうのです。しかし、この作品は何が面白かったのかと面白さの本質を突き止めると人まねではない「面白い」ものが書けるようになるということです。

私たちはどうしても物事を具体的に考えてしまいますので、意識しないと抽象的に考えることは難しいと思います。しかし、これも何度かやっていくと慣れてくると森さんも著書の中で述べられていました。

自分のやりたいこと、これから追求したい「面白い」ことをするために、「抽象的に考える」ということも大切だと思います。

毎日がつまらない人へ。考え方が変わります!

森さんは「孤独」や「寂しい」ということを悪いことだとは考えていません。大勢の人の中にいるとどうしても誰かと一緒にいることがいいことなのだと思ってしまいがちですが、決してそうではないのです。それは、この本を読んでもらえれば感じることだと思います。

一人でも楽しめること、一人だからこそ楽しめることが世の中にはたくさんあるのです。
もし今、毎日につまらなさを感じている人がいればぜひこの本を手に取ってほしいと思います。なんとなく抱いている不安が解消されるかもしれません。

著者紹介

森博嗣。デビュー作『すべてがFになる』のシリーズのほか、『スカイクロラ』、『攻殻機動隊』などの話題作がたくさんあります。また、森さんは90年代の半ばには既にネットを活用してブログを開設されていましたが、それらをまとめた本やエッセイなど、多数の著書があります。

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