1. 表参道のビルが老朽化し吉祥寺へ移転。噂では「畑」も!
作家の落合恵子さんが主宰する書店
「クレヨンハウス」(従業員107名)
は、今年で46周年を迎えます。
その表参道店が建物の老朽化に
伴い移転することに。
12月のクリスマスまでには
何とか吉祥寺への引っ越し
を完了する予定だそう。
表参道店は、青山の表参道を
少し入った閑静な住宅街にあり、
地下1階、地上3階建ての
白いビルです。
表玄関は、たくさんの
草花で覆われています。
1階は、こどもの本の専門店
『クレヨンハウス』。
2階は、木のおもちゃの専門店。
3階は、オーガニックコスメ、
コットン&女性の本の専門店
「ミズクレヨンハウス』
地下1階はオーガニックレストラン
と農産物の販売所『野菜市場』。
大阪にはクレヨンハウスの
支店があるそうです。
ザ・産経ニュースによれば
「今度は店舗とは別の場所に
不登校の子供やひきこもりの
人らと連携し、農業をする
計画もある」と話す落合さん。
「吉祥寺店では木や食、
おもちゃなどを通じて、
『あなたはあなたでいい』。
『泣いてもいい』という
ことを伝えていきたい」
とコメントしている。
今回もまた、単なる
児童館図書専門店という
カテゴリーの枠を超えた、
「落合ワールド」の
展開ということになるのでしょう。
2. 46年前、子供の本の売り場に椅子とテーブルを置いた
今から46年前、児童図書店
「クレヨンハウス」を始めた当初は、
売り場に本を読むための
椅子とテーブルを置いた
ことが大変な話題となりました。
今でこそ、椅子やテーブルが
置いてある本屋さんも
珍しくないですが、
クレヨンハウスの設立
当初(1976年)においては、
全く考えられなかったようです。
その当時は「本が汚れる」と
反対した本屋さんが
多かったらしいのです。
「椅子のこと」だけでなく、
落合さんのかかわる様々な面で、
ある意味「現実の一歩先をゆく
行動力」とでも申しましょうか、
彼女が先頭を走り、
いつも時代が追いかけてくる
といった図式が定着したようです。
彼女の発想の独特さは、
どうやら生い立ちからくる
のかもしれません。
3. 生い立ち
1945年1月。
第二次世界大戦終結以前に
落合さんは栃木県宇都宮市に
生まれました。
お母様は、外に働きに出かけ
「夕暮れに友人と別れた後は、
アパートの階段に座り、
本を読んで母の帰りを
待ちました」
と雑誌『この本読んで!』の
インタビューにこたえて、
彼女はこう話す。
落合さんは豊かではないけれど、
本好きのやさしい母親の
庇護のもとで育ったようです。
「絵本が好きになったのは、
夜寝る前に絵本を開いている時、
母が布団の中に入ってきて
くれたからかもしれません」と。
この絵本との出会いの
原体験こそが、児童図書専門店
「クレヨンハウス」をつくった
モチベーションの一つかもしれません。
母親から伝えられたことを
春日部の講演会でも述べているように
落合さんは
弱いものの立場に立つように
なっていったようです。
4. アナウンサーから小説家、ビジネスウーマン。そして……
栃木県から東京に居を移し、
高校、明治大学英米文学部
卒業後、文化放送の
女子アナウンサーとして
「レモンちゃん」の愛称とともに、
絶大なる人気を博していました。
1973年から祥伝社より
「スプーン一杯の幸せ」を出版し、
作家活動に軸足を移すこととなって、
1974年文化放送を退社します。
もともとクレヨンハウスは
子供の本の専門店として
出発しましたが、折りからの
「食」の安全性の問題から、
有機の食べ物の販売を
手がけることに。
そしてオーガニックレストラン経営、
オーガニックコスメなどの
販売にも力を注ぐように
なったのです。
また、落合さんは、
出版業も手掛け、
オーガニックマガジン
『いいね』発行人、
総合育児雑誌『クーヨン』
発行人でもあります。
また、『週間金曜日』の
編集人でもあるのです。
そして、今でもジェンダーや
原発の問題、沖縄の
基地反対運動、人権問題などに
強い関心をよせています。
従業員100人を超える会社の
社長という重責にありながら
毎年、何百ページもの
新刊本を出版し続けている落合さん。
その上、7年間にわたり母親の
介護を続け、立派に
母親を看取ったのです。
精一杯頑張る彼女の人生、
やはり、女性として
賞賛の声はあらゆる年代を超えて……
「いくつになろうと、
どんな状況だろうと、信条を曲げない、
ブレない生き方に感銘すら
覚えます」とは
落合さんと同年配の78歳の女性。
多くの人に感銘や影響を
与えている落合さんの
次なる吉祥寺でのお仕事は?
「不登校や引きこもりの子供たちと
そして農業」ですと話す。
今後の落合さんの動きは
目が離せません。
みなさんと一緒に温かい目で
吉祥寺の「クレヨンハウス」
を見守っていきたいものです。
by sono
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