2026年春夏ファッショントレンドは?パリミラノコレクション/シャネル/ディオール他7選!

ファッション

2025年10月に閉幕したパリ・ファッションウイーク(通称パリコレ)では、これまでフロントロー(一番前の席)の主役だったインフルエンサーたちに代わり、シャネルやディオールの服を実際に購入できる超富裕層が座り、注目を集めました。それはLVMHの7月〜9月期の売上が前年比2%減となった影響もあると考えられます。

パリコレで相次ぐクリエイティブディレクターの交代も、あるいは同じ理由、つまりは売上不振を打開する狙いがあるのかもしれません。
一方、ミラノファッションはグッチを除いて底堅いものでした。例えば、ボッテガ・ヴェネタ等は対前年比20%超を記録しました。

パリコレにみる多くのクリエイティブディレクターの交代

2026年春夏の傾向は、パリコレではシャネル、ディオール、フェンディ―、バレンシアガ、ロエベ、セリーヌなどでクリエイティブディレクターが交代しました。

読売新聞(2025年10月15日付)によれば、「高級ブランドではこの1年、次々とデザイナーが交代した。LVMHやケリングなどの巨大ファッショングループの売り上げが伸び悩む中、デザインの刷新で挽回を図ろうとしている」とあります。

シャネルやデイオールなどの定番の再解釈

シャネルではすでにツイードやリボンのシャネルの核となるアイテムに関して「再解釈」が進み、26年春夏のパリコレでは、さらに一層の再解釈が進んだといえましょう。

それもそのはず、シャネルのクリエイティブディレクターは仏出身のマシュー・プレイジーさんに変わり、
ディオールも英国出身のジョナサン・アンダーソンさんが就任したからです。

元ディオールのキウリさん(2016年就任)は、2025年10月14日付でフェンディ―のクリエイティブオフィサーまたはディレクターに就任することが報じられていました。これはLVMH内の人事移動とも受け止められているようです。

今年のパリコレは流行色の話やスカートの丈の話よりもルックの再解釈に関心は集まりました。

結果として、シャネルではツイード、カメリアのマークなど全般的に新しいクリエイティブディレクターの下、再解釈が行われたのです。

ディオールも定番の「バージャケット」のシュリンク(縮み)加工が加わり、彫刻的ボリュームも加わったりしました。またバッグの「ディオールシガール」などにも「リボン」が採用されました。既存の定番の再解釈が進み、伝統的ブランドが新しいデザインに生れ変わったのです。

2026年春夏、流行のスカート丈は?色はブラウン?

ディオールはミニ・ロングなど多様な丈が見られ、またテイラー・スウィフト風のレオタードのような作品もありました。デニム素材のマイクロミニのショートパンツも春夏らしく涼し気でした。

シャネルのショーは、今にも着て歩けそうな日常的な作品も多く見受けられました。スカート丈は「ふくらはぎ」までのミモレ丈で、左太ももから大胆なスリットが入ったものも多かったです。

シャネルの場合、春夏という事で白などの光沢のある薄い素材で作ったスーツやビーズを縫い込んだツイード素材等も斬新でステキでした。

服の色についてですが、今年の秋冬に流行しているブラウンが多く見られました。

ミラノファッションウィークでは「プラダを着た悪魔2」を撮影中

9月27日、ミラノのドルチェ&ガッバーナのショー開始直前にランウェイに現れた「プラダを着た悪魔2」で編集長役のメリル・ストリープ。ボーグの本物の編集長であるアン・ウィンターも同じ会場にいたので、お互いに軽く会釈し、ショーは始まったのです。

この日のメリルストリープはガッバーナのヒョウ柄のコートをまとって、観客を37分も待たせての登場でした。

そして、ニューヨーク各所での撮影では、鬼編集長役のメリルストリープとともにメインキャラクターを務めるアン・ハサウェイのファッションに注目が集まっているようです。ビジネスルック、葬儀ルックも見もの。そしてたびたび登場するのは、コーチのショルダーバック。ノーとPCも入るそうで、“シゴデキ女性“の相棒バックとして圧倒的な存在感を放っているとか。

また、雑誌「ボーグ」主催のMETガラの盛大なパーティーシーンも圧巻で、多数のモデル達がランウエイ・ファッションをまとってのシーンで華やかだそう。
来年5月の公開が楽しみです。

ミラノファッションウィ―クには新デザイナー4人登場!

「グッチ(GUCCI)」「ジル サンダー(JIL SANDER)」「ヴェルサーチェ(VERSACE)」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」の新デザイナーによるショーがありました。

グッチも新人デムナさんがブランドを再解釈。「今回のミラノ・ファッションウィークのショーは、2026年2月のファーストショーへとつながっていく」お披露目だったもよう。

ジルサンダーは、シモーネ・ペロッティによる初シーズン。

ヴェルサーチェは、ダリオ・ヴィターレのデビューコレクションで日常に根差した官能性を表現しました。

ヴォッテガ・ヴェネタは、ルイーズ・トロッターをクリエイティブディレクターに起用。今コレクションは「工房」を意味するブランドの原点に立ち返り、創業60周年の歴史に相応しいコレクションを発表しました。

ミラノファッションにおけるメジャーな4社の成長率は、対前年対比が25%~26%減のグッチを除いて、他の3社は好調です。ボッテガは、+23.3%、ヴェルサーチは+51.5%(いずれに23年度)。ジルサンダーは親会社の決算しかなく、23年は7%増収となりました。

巨匠アルマーニ氏のミラノで最後のランウエイ

アルマーニ氏は2025年9月4日に亡くなり、今年のミラノファッション・ウイークが最後となりました。

最後のランウェイは、前もって回顧展にする計画だったので、初期のアルマーニコレクションを想起させるデザインも登場しました。そしてグレイ、ネイビーやインぺリアルパープルといった色合いが目立ちました。

驚かされたのが、どのスーツ(男女共に)も着やすそうなユルめのシルエットには驚かされました。

これがアルマーニの「ソフトスーツ」であり、「柔らかなメンズとウィメンズのテーラリング」のようです。

アルマーニはスーツデザインの巨匠であり、1980年の映画「アメリカンジゴロ」の何十着ものスーツのデザインを手掛けたと言われています。

また、実業家的側面も有名です。「ファッション、美容、香水、音楽、スポーツ、さらには高級ホテル経営まで乗り出し、年間約4000億円もの収益をあげていた」とBBCが伝えています。

友人のドナテラ・ベルサーチ氏は「世界は今日、巨人を失った。歴史を作った彼は永遠に記憶される」と追悼しました。

ミラノの最後のファッションウィークの会場では無数の小さなランタン(小さな灯ろう)が灯され、静かにアルマーニ氏をしのぶ空気に包まれました。

まとめ

7章に分けて、パリコレとミラノコレクションの情報をお届けしました。両コレクションとも「新人クリエイティブディレクター」の活躍が目立ちました。

クリエイティブディレクターが変わるだけで、こんなにも服の印象が大きく変わり、伝統ブランドの新しい表情を実感できました。

洋服づくりはさまざまな工程を経て完成しますが、クリエイディブディレクターの個性が最終的な印象を左右することも大きいと、感じられました。

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