6月24日から始まるパリオートクチュールの発表に先駆けて、ニューヨーク、ミラノ、パリで行われたファッションウィークの情報を振り返り、2024年秋冬のトレンドを予測しましょう。
今年の秋冬は、ブラウン、カーキ、レッドが主流となる色彩です。これらの色は、落ち着いた雰囲気と同時に、力強さを感じさせるパレットとして注目されています。また、フェイクファーやレザーの素材が、その豊かな質感でファッション界に新たな熱量をもたらしています。注目すべきは、エル誌が推すデニムのスーツ。カーディガン、ミディ丈のスカートなど、クラシックな装いが散見されます。
2024年の秋冬トレンドカラーは、エル誌がブラウン、ヴァンサンカン誌がカーキ色!
エル誌は「流行ファッション21選」の中で、ブラウンを第1番目にトレンドカラーとして、取り上げています。
エル誌によれば「“BROWN IS NEW BLACK”と言わんばかりに、黒に変わる定番ベースカラーとして台頭してきたのがブラウン。シックで黒よりも優しい印象のブラウンが、エレガンスを強調した今シーズンのトレンドにベストマッチ」だそう。
今年は歴史や伝統に立ち返り、リアルクローズ(普段着られるような)が溢れた2024年秋冬ランウェイになりました。ブラウンはそんな中でエレガンスを強調した今シーズンにマッチした色なのです。
様々な素材でブラウンが使われ、同じ色合いのキャメルやベージュも数多く見受けられました。
ヴァンサンカン誌は、同系色であるキャメルの濃淡や異素材と組み合わせてのワントーンコーデをおススメしています。
ヴァンサンカン誌がイチ推しのカーキ色
カーキのようなミリタリー色の強いカラーは、フェミニンなアイテムとコーディネートすれば、極めて今日的なルックになります。
「主張し過ぎない色なので、さまざまな色やアイテムとあわせやすいのが特徴」とヴァンサンカン誌。
グッチはシースルーと合わせて、フェラガモは長いモスグリーンのブーツとコーディネート。サンローランやバーバリーで多く見られるカーキ色は、今年のマストハブ(中心)だそうです。
レッドも昨年に引き続き流行します!
次にエル誌もヴァンサンカン誌も取り上げている「レッド」。昨年の2023年から引き続いてのトレンドカラーとして登場。エル誌は落ち着いた赤、ヴァンサンカン誌のレッドはあくまで鮮やかです。
ヴァンサンカン誌はこの赤を「スカーレットレッド」と呼びます。ボディーコンシャスの真っ赤なワンピースを発表したのがヴェルサーチ。他の色とレッドと合わせて着るのもいいけれど、上から下まで全部レッドで取りそろえるのが今年らしいとのこと!
エル誌も同じように「ブラックやブラウン、グレーとの相性は抜群ですが、今年2024年の着こなしは、レッドを全身でまとうこと」とキッパリ言い切っています。
合成レザーの発達!レースなどと一緒にエレガントに装う
エルメスやルイヴィトン、ミュウミュウなどは、女らしいオーガンジーなどの透ける素材やレースなどを多用し、エレガントにレザーをコーディネートしてみせています。
上から下までレザーというルックもあり、とりわけ脚の“もも“あたりまでくるブーツもセクシーでステキ!本物と見まごう高品質な合成レザーも沢山見受けられました。
ヒョウ柄が2024年に復活!レパード柄、アニマル柄とも言われる
モブワイフ(マフィアの妻)のファッションはきわどく、過剰で、たまらない魅力を持っています。そのモブワイフの好んで着るアイテムにヒヨウ柄があげられるのです。
今年は大流行のようで、ディオールのようなメゾンの大御所から新進デザイナーに至るまで、ランウェイはレパード柄であふれていました。
タイツにレパード柄を取り入れるイザベルアラン、バレンシアガは、フェイクのロングコートでゴージャスなレパード柄をご披露!2024年秋冬はレパード柄に注目!
フェイクファーがゴージャスでピンクや水色のパステルカラーも!
フェイクファーの質感がよりゴージャスになり、本物と比べても遜色なく着られるようになりました。
前の章で取り上げたバレンシアガのヒョウ柄のロングコートはモブワイフを思い起こさせるグラマスな一着。ロエベはハーフ丈のコートでよりカジュアルな毛皮の着方をランウェイで披露。
また、ピンクや水色といったパステルカラーのフェイクファーも登場し、ファーの世界はまさしく百花繚乱、多種多様。
透け感は秋冬でも健在です!。
トランスペアレント(透け感)のある素材は2024年の秋冬にもトレンディーなファッションです。
一流どころのルイヴィトン、ディオールは同色のシアー(透けている)素材を使い、バレンティノはシアー素材の重ね着を発表しています。
秋冬といっても最近は暖房が効いていますし、クリスマスなどのパーティー会場は暖かいです。
エル誌は「ランジェリーにシアーブラウスをレイヤードしたり、シースルードレスにボトムスを重ねたりと、女性を解放する着こなしに挑戦を」と勇ましい。
デニムのスーツが多くのデザイナーに支持されて!
シャネル、クレージュ、フェンディ、マックスマーラ、ミュウミュウ、ヴェルサーチ、と多くのデザイナーが秋冬のために私たちになじみ深いデニムの作品を発表しました。デニムのスーツはミニあり、パンツありとバリエーションは様々。
とりわけシャネルはデニムにチャンキーな(厚ぼったい)ジュエリーやファーで華やかさを演出しました。
カーディガンの流行は、クワイエット・ラグジュアリ―が今年もまだ続いている証拠
2023年のキーワードとして注目されたクワイエット・ラグジュアリー。もともとは派手で目立つデザインよりも抑えた色や柄で素材の上質さを際立たせる着こなしを指します。
素肌にそのまんまトップスとして着るのもよし、またジャケットがわりとして着るのもよし!
同系色のニットアイテムを組み合わせるとクワイエット・ラグジュアリー感がいっそう溢れます。フェラガモ、グッチ、プラダなどに数多く散見されます。
ミディ丈のスカートが数多く見られたランウェイ
大御所のディオールをはじめとして、シャネル、フェンディ、フェラガモなどがこぞってミディ丈のスカートを発表しています。
きれいめのワークスタイル(仕事用)からドレスアップシーンにもよく似合うミディ丈のスカート。今年流行のカーディガンやビッグではないコンパクトな シャツやジャケットに合わせて!テイストはあくまでもエレガントにレディにそしてクラシックに。
まとめ
今年は、リアルクローズ(普段着)に軸足を置いたような私たち消費者にとって親近感のある2024年秋冬ファッションウィークでした。デニム、カーディガン、ミディ丈のスカートなど、すぐ取り入れられそうなアイテムが目立ちました。また、フェイクレザーやファーの質が向上したことは、サステナブルなファッションを志向する多くの方にとって、嬉しい進展です。
この秋冬は、ブラウンというシックなトレンドカラーを取り入れて、洗練された「大人の女性」を演出しませんか?去年とは一味違う自分を発見するチャンスかもしれません。
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