お盆休みは京都で五山の送り火を!
いよいよ夏休みです。旅行や帰省など、様々な計画を立てている人も多いのではないでしょうか。しばらくコロナ禍で思いっきり旅行を楽しめなかったという事情があった人も、ここ2年ほどは安心して遊びに行けているのではないかと思います。しかし、今は円安で海外旅行は行きにくいですね。
そこで、今回は夏の京都の風物詩である五山の送り火を紹介します。私の実家は京都にありますので、昔から親しんでいる目の前で送り火を見ることのできるスポットもお伝えできればと思っています。
京都五山の送り火とは?
五山の送り火とは、毎年8月16日の夜に京都市内の山で行われるかがり火です。たくさんの人たちが松明(たいまつ)を持って山に登り、「大」の字の形などに山を点灯します。
具体的にいいますと、大文字(如意ヶ岳)、妙法(松ヶ崎)、船形万灯籠(西賀茂船山)、左大文字(左大文字山)、鳥居形(曼荼羅山)の五山があります。
五山の送り火自体が歴史的にいつから始まったのかを特定するのは難しいのですが、江戸時代頃には民間にも定着していたようです。死者の霊をあの世へ送るという意味合いを込めて行っていた行事で、1960年代の初めごろまでは特に点火時間は決められていませんでした。
それが観光業界からの要望を受け、毎年午後8時に大文字山を点火し、次いで妙法、船形、左大文字、鳥居形の順に、細かく時間を決めて点火するようになったといいます。つまり、他府県からの観光客の方にとっても旅行の行程に組み込みやすくなったということです。
京都五山送り火よく見える場所は?
今年の五山の送り火は8月16日の金曜日です。
点灯時間は、大文字が午後8時、妙法が午後8時5分、船形が午後8時10分、左大文字が午後8時15分、鳥居形が午後8時20分です。点灯時間は30分程度で、午後9時にはすべての山が消灯になります。
送り火を見たい場合は、まずは点灯時間をよくチェックしましょう。
続いて、各山がよく見える場所を紹介します。
①大文字
大文字は五山の中で最も東にある山です。五山の送り火と聞いて多くの人が真っ先に思い浮かべるのがこの山だと思います。大文字がよく見える場所として有名なのは鴨川です。
私も高校生の頃によく友達と見に行っていましたが、出町柳付近の橋や鴨川デルタなどは多くの人地元民や観光客でいっぱいです。おそらく、ここに最も多くの人が集まっているのではないかと地元出身の私は実感しています。
②妙法
妙法は松ヶ崎といって京都市の北に位置する場所にあります。国際会館や宝ヶ池などが近くにあり、聞いたことがあるという人もいるかもしれません。妙法がよく見える場所は、鴨川を出町柳から北へ行ったところにある北山通です。
③船形
船形は五山の中では最も北にある山です。大文字や妙法がよく見える鴨川堤防からも見えますし、京都市北区にある船岡山公園からもよく見えます。船岡山公園は北大路通にあり、近くには金閣寺などの観光名所がたくさんあります。
④左大文字
左大文字は金閣寺の近くにあります。左大文字がよく見える場所としては西大路通りが挙げられます。私は実家に帰った際はいつも左大文字を眺めていますが、間近に見る送り火は迫力満点です。
④鳥居形
鳥居形は五山の中で最も西に位置しています。近くには広沢池や嵐山などがあり、こちらも観光名所として年間を通して賑わっている場所です。渡月橋や広沢池、嵐山公園などで見ることができますが、こちらもそもそも観光スポットということもあり、多くの人が訪れます。
おすすめの山は左大文字!
私が特におすすめしたいのは左大文字です。
左大文字は金閣寺の近くにありますが、東の大文字山ほど観光客であふれているという印象はありません。もちろん観光客もいてそれなりに混雑していますが、鑑賞している人を見ていると地元の人が多いように思います。
左大文字は西大路通りからよく見えるといいましたが、金閣寺へと続く道がおすすめです。そもそもそこは町中にして普段から大きくくっきりと左大文字が見えています。
高い建物などの景観を邪魔するものも少ないですし、近くのコンビニもこの日は店内の照明を最小限にしています。松明の一本一本が燃えている様子まではっきりと見えますし、煙が立ち上っているさまもよくわかります。
五山の送り火といえば東の大文字山という印象が強い人もいるかもしれませんが、左大文字を間近で見る迫力もぜひ体験していただきたいと思います。
ちなみに、左大文字がよく見える西大路通りにはファミレスやファーストフード店もたくさんありますので、点灯時間までに食事を済ませておくこともできます。
また、京都駅まで行く市バスも走っていますし、地下鉄烏丸線の北大路駅も市バスに乗車して10分以内で行くことができますので交通も便利です。乗り換えなしで三条京阪まで行けるバスもあります。京都駅周辺や四条通、河原町通付近にホテルを取っておいて五山の送り火が終わってから楽に移動することができます。
その点も、私が左大文字を推している理由です。
また、午後7時ごろから鞍馬口通りといって金閣寺へと続く道があるのですが、そこでも松明が焚かれます。そして、大勢の男性たちが実際に松明を掲げて山へ向かっていく姿を見ることもできるのです。これもなかなかに迫力があり、見ものです。
五山を一望できる場所は?
無料で五山を一望できる場所は、残念ながら思い当たりません。京都タワーなどに登れば見ることはできますが、やはり各山から距離がありますので迫力という点では劣ってしまうでしょう。
そもそも京都市内には景観を損ねる高い建物がありませんので、すべての山を一望するというのは大変難しいのです。
それでも一度にたくさんの送り火を見たいという人は、京都タワーに登ったり高層ホテルなどの五山の送り火プランを活用したりするという手もあります。また、すべての山は見えなくても、大文字の観賞スポットである鴨川デルタや船形がよく見える船岡山公園などは複数の山を見ることができます。
私の場合は地元育ちで様々な場所から山を見てきましたが、近くでじっくりと1つの山を見ることが一番性に合っていました。そこは人それぞれの好みがあると思いますので、好みに応じたプランを立ててみるのがいいかと思います。
今年(2024)の送り火は「金曜日」です!
今年の五山の送り火は金曜日です。社会人になってからの私にとって五山の送り火は、夏休みの終わりでした。左大文字を見終わったあとは「また仕事が始まるな」と感じたものです。
しかし今年は送り火の後もまだ土日があります。そのため、動きやすいという人もいるのではないでしょうか。子どもたちにとってはまだ少し夏休みが残っていますが、大人にとってはお盆の終わりとともに有休が終わる場合が多いと思います。
今までは動きにくかったという人も、今年は子どもたちと一緒に送り火を観賞しやすいカレンダーになっていますので、土日が休みだという人はぜひこの機会に行ってみてください。
私も今年は久しぶりにゆっくり五山の送り火を観賞しようと思っています。
コメント